「木材」と一言で言っても様々な種類が存在していることをご存知でしょうか。世界では、およそ6万種類以上の木が存在しているとも言われており、木の数だけ特徴や用途が変わっていきます。普段様々な場面で木や木製品を見かけることがあるかと思いますが、その木がどのような木なのか、どのような特徴があるのかわからない方も多いかと思います。そこでこの記事では、家具や建具、DIYをする際などに役立つ普段使われることが多い木材の種類や特徴について木工会社が簡単にご紹介をしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
2種類の木(針葉樹と広葉樹)の特徴に関して
様々な木の紹介をする前に木には大きく分けて2つの種類があることについてご紹介をしていきます。聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、木は「針葉樹」と「広葉樹」の2つに分けることができます。同じ木というカテゴリーですが、細胞や組織、サイズはそれぞれ異なり、以下では、各木の特徴や違いについてご紹介していきます。
針葉樹(しんようじゅ)とは?特徴について
針葉樹は、スギやマツなどが有名ですが、葉が針状にとがっており、大半が冬でも葉をつけているほとんどが常緑樹になります。木目(年輪)が明瞭で、木目に対応しての濃度の変化が美しさを持つ裸子植物でもあります。針葉樹の仲間は主に寒い地域(寒帯、シベリヤや北米)に多く、熱帯から温帯まで幅広い場所に天然の針葉樹林が分布しています。また成長が早く、まっすぐに育つため、長い木材が必要になる際に重宝されます。
針葉樹の特徴として挙げられるのが、
・比較的柔らかく軽量である
・加工しやすい
・肌触りがいい
という点です。
よく利用されるのが、テーブル(机)やインテリア雑貨、子ども向けの家具や収納棚、DIY、住宅用の建材などの場面です。柔らかくて加工がしやすいということもあり、特にDIYなどを考えている方には針葉樹が人気です。また肌触りがいいという点から子ども向けの家具なども針葉樹が使われていることが多いです。住宅などでは、柱や梁といった建築材として使われることもあります。
広葉樹(こうようじゅ)とは?特徴について
広葉樹は、ブナやナラ、カエデ(メープル)、クスノキなどが有名で平べったい葉をつけるものが多く、丸みを帯びたものからとがったものまで様々な形の葉をつけます。広葉樹のなかでも、温帯地域の常緑広葉樹を「照葉樹」と呼びます。表面にクチクラ層(角質の層)が発達しはっきりとした光沢・艶のある深緑色の葉を持っています。
広葉樹の特徴として挙げられるのが、
・硬くて重量である
・針葉樹と比較して強度があり、傷がつきにくい
・加工がしづらく、塗料なども浸透しにくい
という点です。
よく使われるのが、食器棚(キッチン)や本棚、高価な家具、スポーツ用品(野球のバット、スキーの板など)、ワインなどの酒樽、ギターなどの楽器、フローリング材といった場面です。使用される場面を見ていただくとお分かりいただけるかと思いますが、強度が必要で揺れなどにも強い耐久性が高いものに使われる傾向が多いです。
針葉樹と広葉樹の人気木材の種類や特徴をご紹介
上記では、針葉樹と広葉樹の違いや特徴についてご紹介をしてきました。次に各木の代表的な木材についてご紹介を行っていきます。
1、ヒノキ(桧、檜)【針葉樹】
針葉樹の代表的な木材はヒノキです。1000年以上前から木材として使われている記述が残っており、神社、仏閣からヒノキ風呂などの住宅の中まで様々な場面で使われています。
特徴としては、
・耐久性が強く、湿気にも強い
・木目がきれいで、肌触りがいい
・リラックス効果のある香りをもっている
などが挙げられます。 色味もよく、上品で高級感にあふれる雰囲気を演出できる点も愛されている理由の一つと言えるかもしれません。
2、スギ(杉)【針葉樹】
もう一つ針葉樹の代表的存在として挙げられるのが、スギです。軽量で安価ということもあり、家具や床材など多くの場面で見かけることができます。
特徴としては、
・軽量で加工がしやすい
・変形しにくい
・安価なため、DIYなどでよく使われる
などが挙げられます。
3、パイン(マツ、松)【針葉樹】
最後に針葉樹の代表的存在として挙げるのが、パイン(マツ)です。主に輸入された松の木をパインと呼び、比較的安く、素材が柔らかいため加工がしやすいといった特徴があります。家具や床材などで見かけることが多いです。
特徴としては、
・やわらかく加工がしやすい
・お手頃な価格帯帯
・肌触りがよい
などが挙げられます。
1、ナラ【広葉樹】
広葉樹の代表的な木材はナラです。大型家具などに使われることが多く、床材などとしても人気があります。またウイスキーなどの酒樽としても使われることがあります。
特徴としては、
・硬いため、傷がつきにくい
・耐水性に強い
・耐久性が高いため、長く使い続けられる
などが挙げられ、虎斑(とらふ)模様も特徴的なポイントとして挙げられます。
2、タモ【広葉樹】
タモも広葉樹の代表的な木材として挙げられます。建築や家具などにも使われることが多いですが、タモの木はバットなどのスポーツ用具としても使われることが多いのが特徴です。
特徴としては、
・しなやかで弾力性がある
・肌触りがよくて滑らかな材質
・硬くて頑丈
などが挙げられます。
3、ラバーウッド(ゴムの木)【広葉樹】
ラバーウッド(ゴムの木)も広葉樹の木材として有名です。ゴムという名の通り、ゴムの樹液が採取できる木で、観葉植物やテーブルなどの家具など多くの場面で見かけることがある木になります。
特徴としては、
・軽くて加工がしやすい
・肌触りがよくて滑らかな材質
・集成材などにもよく使われる
などが挙げられます。
4、チーク【広葉樹】
世界三大銘木の1つであるチークも広葉樹です。色合いですが、木材の樹皮に近い部分の辺材は、淡黄褐色や黄白色、木材の中心に近い部分の心材は暗金褐色や濃い黄金色と言われることが多いです。空気に触れたり、陽光にさらされることで、色が濃くなっていきます。耐久性が高く、害虫や湿気にも強いという特徴をもっているため、昔から家具(テーブルなど)によく利用されてきました。美しい木目を持ち、反りや割れが少なく、見た目も光沢を帯びているため、高級な木材の1つでもあります。現在は世界的に伐採が禁止されてきている影響により、希少性が高く、日本で入手することも難しくなってきている木材になります。
まとめ
今回は、家具や建具、DIYをする際などに役立つ普段使われることが多い木材の種類や特徴についてご紹介をしてきました。代表的な木材をご紹介してきましたので、聞いたことがある名前が多かったかと思います。ただ実際にDIYなどで使ったり、家具などで選んだりする際は、各木材によって変わっていきますので、自分や建物にあった材質を選んでいただくことをおすすめいたします。