”タモ”と聞いて皆さんは具体的なイメージがわきますでしょうか。建築や木工関係の方であれば、ご存じの方も多いかもしれませんが、普段生活をしている中で「タモ」という言葉は聞きなじみがないかもしれません。そこで今回は、建築や家具などによく使われるタモ材とはどのようなものか、タモ材の特徴、メリット・デメリットをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
タモ材とは?
タモ材とは、モクセイ科トネリコ属の広葉樹で、製材されたものがタモ材になります。建築や家具でよく使われ、それ以外にも野球のバットやラケット、スキーの板などスポーツ関連の木製品にもよく使われています。そのため、普段何気なく使っている木製品が実はよく見たらタモ材だったと親しみを感じる方も多いかもしれません。日本も産地の一つですが、中国やロシア製のものも使われ、産地が違っていても特徴が似ていることから使い勝手がよい木材と言われております。
タモ材の特徴
タモ材の特徴は、ナチュラル・均一の木目・弾力性に富んでいる・重厚で加工しやすい・美しい色・肌触りがなめらかといった点が挙げられます。タモの木は、大きく高く成長すると言われており、他の木と比べると圧倒的な高さということもあり、森の中などでも存在感が強いと言われています。上記で野球のバットにも使われることが多いとご紹介しましたが、その理由は弾力性に富んでいながらも硬くて丈夫、衝撃を吸収しやすいという特徴があるからです。タモの木の由来はいくつかありますが、一つとして挙げられるのが折れずに”たわみやすい”ため、”タモ”という名前になったとも言われています。粘りがあり、硬くて丈夫、衝撃を吸収しやすい性質のため、家具やフローリング、建造物、スポーツの木製品など幅広いジャンルのものに使われています。また肌触りがなめらかで、木目も均一、ナチュラルで美しい色をもっていることから楽器などにも使われています。
タモ材のメリット
*強度が高い
日本は地震大国で、近年も小さい地震から大きい地震まで多くの地震が発生しております。そのため、家屋や建造物は強度を求められ、災害にも強い材質が重要になります。強度が強い=強固な建材という訳ではなく、木材が硬すぎてしまうと割れが生じてしまうこともあるため注意が必要です。地震などの揺れに対応するには、柔軟さも求められるため、弾力性があり、材質としても硬いタモ材は、強度を高めるうえで効果的なのです。また強度が高いということは、長年使用しやすいということにもつながるため、家具などの場合、長期にわたって使用し続けることができる点もメリットと言えるかもしれません。
*木一本が均一化されている
一本の木から木材にする中で起こる問題が、場所によって木目が変わっていたり、強度が変わっていたりするという点です。同じ一本の木でも注意が必要になります。一方でタモは、まっすぐ成長し、他の木と比べて一本の質が高いため、加工する際に無駄が少なく、資源を有効活用することができるという点が挙げられます。
タモ材のデメリット
*他の木材と比べて加工しにくい傾向にある
上記の紹介の中で、強度が高く硬くて丈夫であるというご説明をしましたが、加工する際は、この性質がデメリットになってしまいます。強度が高いため、加工が難しく、一般的な木材と比較して、手作業では加工が難しいと言われています。また同じ大きさの別の木材と比べて重いため、持ち運びや取扱いに苦労することも多いです。細かい加工や装飾などは向いていないため、家具などもシンプルなデザインのものが多い傾向にあります。
*タモ材は高価なため、コストがかかる
タモ材は上記で説明した通り、かなり幅広い分野で木材として使用されています。そのため、人気木材ということで、需要が増加し、値段も高価になってきています。近年では、戦争やコロナなどの影響でウッドショックなどの木材に関する影響が様々な場面で出てきており、国産のタモ材が少ないため、輸入に頼っていた分価格が高騰しているといった側面もあります。コストが高くなっても問題ないという方は、タモ材の使用を行っていただけたらと思いますが、コストが高くて気になるという方は、部分的にタモ材を使用してそれ以外は別の木材を使用するといったことも考えていただくと結果的にコストを抑えられるかもしれません。今後は変わる可能性がありますが、しばらくは現在の状況が続くことが考えられますので、タモ材の使用をお考えの方は参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。はじめは聞きなじみの少ない木材だったかもしれませんが、上記の説明を読んでいただくことで意外と身近にタモ材で作られた木製品や建物があることをご理解いただけたのではないでしょうか。
当社では、タモ材を使用した木工事や家具工事を行っております。
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